福島原発事故は完全にコントロールしている by 安倍首相
原発の話は難しい。いや、本気で調べたら理解できるのだろうけれど、一般人からすると、面倒くささを強く感じる、というところか。
そうなると、今起こっていることを理屈で理解して、判断するより、自分の経験則に基づいて、各論者の信頼感とか説得力といったような、イメージに近い領域で判断するようになる。
原発事故に関していうと、何か不具合が起きて、その発生が即時に公表されないと、その不具合の程度を評価しないで、不信感をどんどん募らせる。
そして、その不信感をもとに、的外れに行動してしまう。
最近話題になった東電福島第一原発の汚染水流出問題。専門家の間では、想定範囲内であった。
福島近海の海水の汚染濃度は、当然のことながら継続的に調査されている。
震災直後は異常に高い数値が記録されたけれど、順調に濃度は下がり、現時点で飲料水の放射性物質の基準である10Bq/Lの1000分の1以下(0.01Bq/L以下)まで下がっているらしい。安全性を問題にするような水準にはない、ということ。
ただし、濃度の低下がここしばらく緩やかになっていたため、何らかの形で流出していることは想定されていた、ということらしい。
東京オリンピック招致にあたって、安倍首相が「福島原発事故は完全にコントロールしている」と発言した。
上に書いたことからすると、この発言は正しい。
今のところ、原発事故はコントロールできているけれど、風評被害をコントロールできていない、ということだろう。